1992 年 30 巻 6 号 p. 1141-1145
42歳, 男性. 著明な肺線維化による右心不全で入院. 酸素吸入, 利尿剤投与にて一時改善傾向を示していたが, 入院1ヵ月後に急性増悪を呈し, パルス療法を施行. 下顎歯の脱落, 下顎の萎縮を伴い, 骨シンチで多発性に deposit を認めたため, 症状の安定した時期に脛骨の骨生検を行い Hand-Schüller-Christian 病 (HSC) と診断された. BALF細胞中に, OKT6陽性細胞を16.1%認め, 肺の線維化もHSCによるものと考えられた. その後自然気胸を合併したが治癒し, 現在は無治療で安定し, 労作時にのみ酸素吸入をしている.