日本胸部疾患学会雑誌
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Amlexanox の急性気管支拡張効果 -アスピリン喘息と非アスピリン喘息の比較検討-
妹川 史朗佐藤 篤彦谷口 正実豊嶋 幹生中澤 浩二早川 啓史千田 金吾
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1993 年 31 巻 8 号 p. 976-982

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抄録
抗アレルギー剤の急性効果は一般的には認識されていない. しかし最近我々はクロモグリク酸ナトリウム (SCG) 水溶液の単独単回吸入が発作寛解期のアスピリン喘息 (AIA) 患者に特異的に急性気管支拡張効果を示すことを報告した. そこで今回SCGと同じクロモン構造を有する経口抗アレルギー剤 Amlexanox につき同様の効果があるかを検討した. AIA 8例, nonAIA 7例を対象とし, 二重盲検法にて Amlexanox 100mgまたは placebo (乳糖) を単回内服させ, 前と30, 60, 90分, 2h, 3h後にFEV1を測定した. 検査は発作寛解期に施行し, 治療薬は24h以上中止して行った. AIAでは Amlexanox 投与60分後よりFEV1は前値に比べて有意 (p<0.05) に増加 (FEV1: 1.47±0.21→1.58±0.26l) し, placebo 投与後との間に有意差がみられた. nonAIAでは両者の投与でFEV1の変化はみられなかった. 以上より Amlexanox はSCGと同様に, AIAに対してのみ有意に急性気管支拡張効果を有することが明らかとなった.
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© 日本呼吸器学会
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