BDP吸入中の喘息患者94例の副腎皮質機能を rapid ACTH test を用いて検討した. 患者を最近1年間の治療内容からBDP+短期ステロイド内服群 (B+S群),BDP+経口ステロイド常用群 (B+R群), およびBDP単独群の3群に分類した. ACTH負荷前の血漿コルチゾル値, 負荷後の最大コルチゾル値, および前値からの上昇はいずれもB+R群で他の2群に比べて有意に低値であったが, B+S群と単独群との間には有意差を認めず, ACTH に対する反応性から副腎皮質機能の抑制ありと判定された症例も, B+S群41例中4例 (9.8%), B+R群19例中10例 (53%), 単独群34例中1例 (2.9%) で, B+R群に有意に高率であったが, B+S群と単独群との間には有意差を認めなかった. BDPに短期の経口ステロイドを加えた治療は, その安全性からみてBDP単独による治療と同等である.