1994 年 32 巻 8 号 p. 763-767
自然気胸のドレナージ治療を外来で行った. 対象として14歳から75歳の111例を選び, 初診時に外来で胸腔ドレーンを挿入し, 約1時間の持続吸引を行った. その後, air leak が止まり肺が再膨張した患者に対してポシェット型気胸排気装置を装着して帰宅させた. 以後2~3日毎に来院させ, 約1週間後に抜管した. 一方, 初診時の吸引で air leak が止まらなかった患者は入院とした. また, 外来通院中に肺が再虚脱したものも入院とした. その治療成績は, 初診時に air leak が止まらず入院したものが14例, 初診時に創痛や再膨張性肺水腫などのために入院したものが5例, また, 外来通院中に肺が再虚脱し入院したものが11例あり, 結局, 81例 (72.9%) が外来ドレナージ治療で軽快した. 外来通院中にドレーンが抜けたものが2例あった. 抜管後1例に創感染をみた. 自然気胸の外来ドレナージ治療は, 自覚症状のない, 特に若年者には推奨すべき方法と考えられる.