日本胸部疾患学会雑誌
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血清アンジオテンシン変換酵素活性の上昇を認めた肺胞蛋白症の1例
出崎 真志宮地 純樹鈴木 勝中野 純一久富 龍夫小須田 達夫岡 輝明
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1994 年 32 巻 9 号 p. 878-882

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抄録
症例は45歳の男性で, 胸部異常陰影の精査目的で入院した. 胸部X線ではび漫性の浸潤影を認め, 血清アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 活性の上昇を認めた. 当初はサルコイドーシスを疑い経気管支肺生検と気管支肺胞洗浄を施行したが確定診断は得られなかった. このため開胸肺生検を施行し肺胞蛋白症と診断された. 胸部異常陰影は無治療で縮小したが, 2年後に血清ACE活性の上昇と共に, び漫性の浸潤影の増大を認めた. 本例では肺胞蛋白症の増悪と血清ACE活性の関連性が示唆された. 肺胞蛋白症での肺胞マクロファージの機能不全と血清ACE活性につき, 若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 日本呼吸器学会
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