日本胸部疾患学会雑誌
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高度の肺線維症に進展し, 自然気胸を生じた農夫肺症の1例
吉川 隆志小笠 寿之山本 真稲葉 秀一寺井 継男
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キーワード: 農夫肺症, 慢性型, 自然気胸
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1994 年 32 巻 9 号 p. 902-907

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抄録
農夫肺症と診断後12年にわたる経過中徐々に肺の線維化が進行し, その後自然気胸が生じた症例を経験したので報告する. 症例は56歳, 女性. 1979年頃より徐々に咳嗽が出現し, 1981年農夫肺症と診断された. 入院加療により胸部X線写真上, 両下肺野はごくわずかの粒状影を残すのみで著明に改善した. その後も時に牛舎内で作業し, その際咳嗽がひどくなり, 3回当科に再入院した. 1993年4月, 咳嗽後突然胸痛と呼吸困難が出現し, 当科に入院した. 入院時の胸部X線写真で右肺の気胸と診断された. 気胸改善後の胸部X線写真では, 両側肺の著しい線維化と肺野の縮小を認めた.
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