日本胸部疾患学会雑誌
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閉塞性肺炎を繰り返し, 内視鏡で治癒過程を観察し得た気管支放線菌症の1例
橋本 敦郎池脇 淳二山上 由理子山形 英司山崎 透長岡 博志永井 寛之後藤 陽一郎那須 勝
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1996 年 34 巻 9 号 p. 989-992

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抄録

症例は63歳男性. 繰り返す肺炎の精査中に胸部 CT scan で右下葉に腫瘤状陰影を認め, 肺癌を疑い気管支鏡施行. 右下幹入口部を閉塞するように表面不整で一部壊死物質に覆われた腫瘤を認め, 確定診断の目的で気管支生検およびその末梢の肺生検を施行. 組織学的に気管支においては好中球を中心とした炎症細胞浸潤と放線菌の菌塊を認め, 末梢肺生検ではリンパ球を中心とした慢性炎症所見を認めたことより, 気管支放線菌症およびそれによる閉塞性肺炎と診断した. 治療として, ピペラシリンの点滴治療およびアモキシシリンの内服治療を行い, 内視鏡的に著明な改善を確認できた.

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