日本胸部疾患学会雑誌
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長野県における夏型過敏性肺臓炎の2例
小泉 知展山崎 善隆金木 利通平井 一也久保 恵嗣小林 俊夫関口 守衛吉村 一彦
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1997 年 35 巻 8 号 p. 921-925

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抄録

夏型過敏性肺臓炎は寒冷地方においては稀である. 今回寒冷地とされる長野県において初めてと思われる夏型過敏性肺臓炎の2例を経験したので報告する. 症例1は, 64歳男性で, 塗装業. 冬季でありながら高温多湿な職場にて発熱, 呼吸困難で発症した. 休職のみでは症状の改善が得られず, ステロイド剤の投与が必要であった. 症例2は, 51歳女性, 主婦. 築15年の木造の自宅にて咳嗽, 発熱, 呼吸困難で発症し, 入院にて症状は軽快した. 帰宅誘発試験が陽性であった. 両者とも Trichosporon mucoides, asahii 間接蛍光抗体価陽性で夏型過敏性肺臓炎と診断した. 両患者とも生活指導を徹底化し, 今までに再発を認めていない.

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