日本放射線技術学会雑誌
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臨床技術
高エネルギー光子線に対する真ちゅう製ボーラスの線量特性
原 ひかり柴山 祐亮 福永 淳一廣瀬 貴章松本 亮二小宮 勲加藤 豊幸
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2023 年 79 巻 5 号 p. 453-461

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抄録

【目的】4, 6, 10 MV高エネルギー光子線に対する真ちゅう製ボーラスの表面線量,射出線量およびビームプロファイルの基礎特性を検証すること.【方法】真ちゅう製ボーラスと組織等価ボーラスを使用し,4, 6, 10 MV光子線の水等価ファントム中における表面線量とファントム厚さ10 cmにおける射出線量を測定しPDDを算出した.また,ファントム深さ0 cmと10 cmにおけるビームプロファイルを取得した.【結果】真ちゅう製ボーラスありの場合,ボーラスなしの場合と比較して表面線量は4, 6, 10 MVにおいてそれぞれ37.3%, 36.3%, 31.0%増加したが,組織等価ボーラスと比較すると真ちゅう製ボーラス1枚での表面線量は減少した.射出線量は真ちゅう製ボーラスありの場合,ボーラスなしの場合と比較して4, 6, 10 MVにおいてそれぞれ22.0%, 23.1%, 22.8%増加した.【結語】真ちゅう製ボーラスは組織等価ボーラスとは異なる特性をもつことが示された.

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© 2023 公益社団法人日本放射線技術学会
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