日本放射線技術学会雑誌
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最新号
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巻頭言
原著
  • 奥村 英一郎, 加藤 英樹, 本元 強, 鈴木 伸忠, 奥村 恵理香, 東川 拓治, 北村 茂三, 安藤 二郎, 石田 隆行
    2024 年 80 巻 5 号 p. 487-498
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/03/14
    ジャーナル フリー

    【目的】視線計測器より得たフォーカス画像を用いて,乳房画像上の腫瘤状陰影を抽出することを本研究の目的とした.【方法】8症例の異常,正常症例を対象に,2名の放射線科医と19名の診療放射線技師からフォーカス画像を得た.初めに,実際の乳房画像とフォーカス画像の関係をオートエンコーダ,Pix2Pix,UNITに学習させ,未知の乳房画像のフォーカス画像を生成した.次に,三つのモデルより得たフォーカス画像を対象に,U-Netを用いて腫瘤状陰影の領域抽出を行った.【結果】UNITのDice係数は0.64±0.14となり,他のモデルに比べて高く,統計学的有意差が認められた(p<0.05).UNITより得たフォーカス画像と乳房画像を組み合わせた提案手法のDice係数は0.66±0.15となり,乳房画像を用いた手法と同等の結果であった.【結語】将来は,フォーカス画像の数を増やし,抽出精度を向上させていく必要がある.

臨床技術
  • 木寺 信夫, 藤岡 知加子, 檜垣 徹, 西丸 英治, 横町 和志, 松本 頼明, 木口 雅夫, 大橋 一也, 笠井 治昌, 粟井 和夫
    2024 年 80 巻 5 号 p. 499-509
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/03/21
    ジャーナル フリー

    【目的】冠動脈CTA検査を対象に,高分解能撮影モード(high definition mode: HD mode)とdeep learningを用いた画像再構成法(deep learning image reconstruction: DLIR)を併用した際の最適な撮影条件について検証を行うことである.【方法】Revolution CT(GE Healthcare社製),N-1 LUNGMANファントム(京都科学社製),および3Dプリンタを用いた自作ファントムを使用した.撮影条件は撮影モード:ON(HD mode),OFF(normal resolution mode: NR mode),X線管回転速度:0.28 s/rot,ビーム幅:160 mmとし,CT-AECを基準に撮影線量を調整した.画像再構成法としてASiR-V(Hybrid-IR),TrueFidelity Image(DLIR),再構成関数はHD-Standard(HD mode),Standard(NR mode)で画像再構成を行った.画像評価にはtask-based transfer function(TTF)とnoise power spectrum(NPS)を測定し,detectability index(d’)を算出した.また,冠動脈モデルを対象に視覚評価を行った.【結果】TTFは面内方向でHD modeのほうがNR modeより優れた値を示し,体軸方向ではHybrid-IRに比べてDLIRで低下した.NPSはNR modeに比べHD modeのほうが高周波領域のNPS値が高い値を示した.再構成法の比較ではHybrid-IRに比べてDLIRで低い値を示した.d’は面内方向でHD modeとDLIRの組み合わせが最も優れた値を示し,体軸方向ではNR modeとDLIRの組み合わせが最も優れた値を示した.視覚評価はNoise indexが45 HUの値からNR modeとDLIRの組み合わせが最も優れた値を示した.【結語】HD modeとDLIRの最適な組み合わせは取得した画像ノイズ量により変化し,画像ノイズの多い条件ではHD modeを使用しないNR modeとDLIRの組み合わせが最も良い撮影条件であった.

  • 三尾 素平, 田畑 成章, 豊福 竜生, 中村 裕範
    2024 年 80 巻 5 号 p. 510-518
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/03/11
    ジャーナル フリー

    【目的】ハイパスフィルタリングを用いた深層学習によってモーションアーチファクトが軽減できるか検討する.【方法】当院で肝臓のMR検査を実施した69名を対象とした.モーションアーチファクトのない画像(non-artifact image: NA画像)からモーションアーチファクトを模擬した画像(simulated motion artifact image: SMA画像)を作成して深層学習に用いた.得られた学習モデルから出力されるモーションアーチファクト軽減画像(motion artifact reduction image: MAR画像)のモーションアーチファクト軽減効果の検証は,構造的画像類似性(structural similarity index measure: SSIM)とコントラスト比(contrast ratio: CR)で行った.また,視覚評価においてモーションアーチファクトの軽減と画像の鮮鋭度の評価を行った.【結果】SSIMはMAR画像で0.882,SMA画像で0.869となった.NA画像とMAR画像のCRには統計学有意差は認められなかった.視覚評価では,MAR画像のモーションアーチファクト軽減および鮮鋭度の改善が認められた.【結語】本研究の学習モデルは肝臓のMR画像の鮮鋭度を低下させずにモーションアーチファクトを軽減できることが示唆された.

  • 吉田 将人, 丹羽 正厳, 高橋 康方, 倉谷 洋佑
    2024 年 80 巻 5 号 p. 519-529
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー

    透視パルス数の低減が経皮的冠動脈インターベンションでのデバイスの視認性と手技線量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.呼吸同期ファントムにステントやガイドワイヤなどのデバイスを固定し,透視画像を取得して試料画像とした.透視パルス数が7.5 pulses/sと15 pulses/sの透視条件において,ノイズ低減画像処理であるadaptive temporal filter(ATF)の強度を変えた透視条件を使用した.残像の大きさとステントの視認性に関する視覚評価を実施し,一対比較法で評価した.7.5 pulses/sと15 pulses/sの条件で実施した手技の患者照射基準点空気カーマ(Ka,r),面積空気カーマ積算値(PKA)の中央値を比較した.7.5 pulses/sの条件では,強度が弱いATFを併用すると残像は減少し,手技あたりのKa,rとPKAは約50%低減することが可能であるが,15 pulses/sよりもステントの視認性が低かった.7.5 pulses/sでATFが弱い条件を使用すると,残像が少なく手技線量の低減ができるが,ステントの視認性が低下するため,線量率の調整を考慮する必要がある.

  • 成田 充穂, 西木 雅行
    2024 年 80 巻 5 号 p. 530-538
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/03/15
    ジャーナル フリー

    【目的】X線computed tomography(CT)において画像内のノイズ分布は一様ではなく,撮影条件に応じて変化すると考えられる.本研究では,撮影条件のうち管電圧,ボウタイフィルタ(bow-tie filter: BTF),ファントムサイズを変化させて画像内ノイズ不均一性を評価することを目的とした.【方法】管電圧は80, 100, 120, 135 kVの4種類,BTFはLとMの2種類,ファントムとしては直径240, 320, 400 mmの円形水ファントムを使用し,再構成法はfiltered back projection(FBP)を使用した.画像内ノイズ不均一性の評価は,画像中心部から周辺部に向かって6個のregion of interest(ROI)を設定し,このROI内standard deviation(SD)値の画像内分布を測定してノイズ不均一性指標(noise nonuniformity index: NNI)を算出することにより実施した.【結果】ノイズSD値はどの撮影条件においても常に画像中心部のほうが周辺部より大きく,ノイズ不均一性はNNIで最大32.1%であった.NNIの差は,管電圧によって最大5.5ポイント,BTFによって最大7.8ポイント,ファントムサイズによって最大8.2ポイント,それぞれ変動した.【結語】CT画像内ノイズ不均一性を定量的に評価し,撮影条件依存性は小さいことを明らかにした.

  • 倉持 賢司, 坂下 大知, 小川 泰良
    2024 年 80 巻 5 号 p. 539-546
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
    [早期公開] 公開日: 2024/03/27
    ジャーナル フリー

    【目的】Computed tomography pulmonary angiography(CTPA)時,造影剤を持続注入しながら最適なタイミングで撮影しているにもかかわらず,良好な造影効果が得られず肺動脈のCT値が低下してしまうことがある.われわれは,吸気時における上大静脈・下大静脈の血流量の増加が肺動脈のCT値の低下に影響するものと考え,臨床症例において呼吸停止後に遅延時間を設定した撮影法について検討を行ったので報告する.【方法】肺血栓塞栓症を疑われCTPAを行った50例を対象とした.肺動脈のCT値の変動を把握するため,bolus tracking法で息止め前後に肺動脈のモニタリングを行い,そのCT値の変化について検討を行った.【結果】約30%の症例で息止め後における肺動脈のCT値の低下を認めた.遅延時間を設定することで息止め前後の造影効果は同等のものとなった.【結語】本検討から,息止め後に遅延時間を設定することで肺動脈のCT値の低下を回避でき,CTPA時には息止め後,遅延時間を設定することが有用であると考える.

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