論文ID: 2023-1233
【目的】Tomotherapyにおけるチーズファントムを用いた線量検証について,ファントム係数が測定線量に及ぼす影響を調査することである.【方法】チーズファントムを用いて線量検証を行い,ファントム係数の有無による計算線量と実測線量の比較を,プランクラスおよびプランクラスのファントムセットに仮想的なorgan at riskを設定した照射条件(TomoHelical/TomoDirect)と,臨床例(乳房および前立腺)を用いて行った.【結果】計算線量と実測線量の乖離について,ファントム係数1.007を適用することで,プランクラスおよびTomoDirectでは大きくなり,TomoHelicalでは小さくなったが,臨床例では同様の傾向を示さずどちらも大きくなった.【結語】線量検証において,照射技法および照射野開度によらず一つのファントムファクタは,ファントム係数取得時と異なる測定条件での使用について,ファントム散乱の変化に起因し実測線量に変化を来たすことを考慮する必要がある.