日本放射線技術学会雑誌
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急性期脳梗塞患者におけるCT perfusionに対するベイズ推定法とSVD法の比較
森下 猛史 田邉 頌章増尾 修橋本 昭宏大久保 英江崎 琴音梅嵜 有砂高瀬 香奈戸田 博幸
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論文ID: 2023-1301

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抄録

CT perfusion(CTP)の解析法には,さまざまな解析法がある.ベイズ推定アルゴリズムの利点が示唆されているが,臨床データでの他の解析法との比較はまだ少ない.今回,急性期脳梗塞患者の評価において,ベイズ推定法と特異値分解(singular value decomposition: SVD)法を比較し,その有用性を検討した.急性期脳梗塞患者13例のCTPデータをVitreaに実装されたSVD法とベイズ推定法を用いて解析した.虚血域の明瞭性に関する視覚評価と,画像上に関心領域(region of interest: ROI)を設定し,灌流域ごとに健側患側比を比較した.視覚評価では,CBF,MTT,TTPで多くの症例で有意差があり,SVD法とベイズ推定法の健側患側比は,CBF: 1.19, 1.84,CBV: 1.09, 1.02,MTT: 1.12, 1.79,TTP: 1.48, 1.19となった.CBF,MTTはベイズ推定法のほうが健側患側比が大きく,TTPはSVD法のほうが健側患側比が大きかった.急性期脳梗塞患者のCTP解析において,SVD法と比較してベイズ推定法は,CBF,MTTの評価に有用であると示唆された.

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