日本放射線技術学会雑誌
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Bi-LSTMモデルによる機械学習を用いたMRI撮像指示予測に関する基礎検討
清水 幸三 立入 哲也山谷 裕哉間井 良将丸上 永晃
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論文ID: 2023-1328

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抄録

【目的】MRIは優れた診断情報を有する反面,患者負担の大きい検査である.当院では,放射線科医によりMRI撮像指示がされているが,すべての検査依頼に撮像指示を行うことは大きな負担である.自然言語処理により撮像指示予測が可能であれば,放射線科医の負担軽減が可能となる.本検討は放射線科医の補助を目的として,自然言語解析によるMRI撮像予測の実現可能性を検討した.【方法】施設のMRI撮像プロトコルの独自性や,検査依頼文の特殊性を考慮し,大規模データセットや事前学習モデルの利用は不向きと考えた.自然言語処理手法として実績のあるLSTMに注目し,独自の形態素解析の前処理を併用した4層の双方向LSTMモデルを用いた.【結果】提案手法はPrecision, Recall, F1-scoreのMacro平均はそれぞれ,70.6%,69.5%,68.9%を示した.先行研究と比較し,日本語の自然言語処理タスクであることを考慮すれば,及第点を得たと考える.提案手法は,語彙の削減と最適化,類似性の学習に直接的・間接的に作用し少数派クラスの予測精度を改善したと考えられる.【結語】提案手法の有効性と,自然言語処理を用いた撮像指示予測の実現可能性が示唆された.

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