日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
Print ISSN : 0369-4305
ISSN-L : 0369-4305

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

3.0 T MR装置における3D-QALASを用いた緩和時間の測定精度の評価および2D-MDMEとの比較
福永 晃太圓﨑 将大小味 昌憲東 美菜子平井 俊範藤原 康博
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2023-1343

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

【目的】Three-dimensional (3D) quantification using an interleaved Look-Locker acquisition sequence with T2 preparation pulse(QALAS)は,緩和時間を測定可能なシーケンスの一つである.3D-QALASは短時間に高い空間分解能で撮像可能な特徴があるが,3.0 Tにおける3D-QALASの緩和時間の測定精度や従来法とのバイアスは明らかになっていない.本研究の目的は,3.0 Tにおける3D-QALASの緩和時間を従来法と比較し,明らかにすることである.【方法】3D-QALASでファントムのT1値とT2値を測定し,それらの精度を評価した.次に,健常者の脳組織のT1値,T2値,プロトン密度を2D multi-dynamic multi-echo(MDME)と3D-QALASで測定し,それらの差を評価した.【結果】ファントムによる評価において,3D-QALASのT1値は,inversion recovery spin-echoのT1値より平均8.3%延長した.3D-QALASのT2値は,multi-echo spin-echoのT2値より平均18.4%短縮した.生体による評価では,3D-QALASの平均のT1値とT2値とPDは,2D-MDMEと比較して,それぞれ5.3%延長,9.6%短縮,7.0%増加した.【結語】3.0 Tの3D-QALASはT1値が1000 ms未満では測定精度が高いが,それ以上では過大評価される.また,3D-QALASのT2値は過小評価され,T2値が長いほどその傾向は大きくなる.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人日本放射線技術学会
feedback
Top