日本放射線技術学会雑誌
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複数の検出器を用いたX線線量分布の実験的半影幅の算出
下郷 智弘 奥平 訓康
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論文ID: 2023-1347

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抄録

放射線治療装置から出力されるX線半影幅は,検出器のサイズに依存することが報告されている.一般に,照射野サイズに応じた検出器サイズの使用を推奨される.逆にいうと,同一線量分布でも検出器により,線量比形状が異なることを意味している.本研究では,複数の検出器を用いて,検出器の有感領域の大きさのない状況における半影幅を求めることを目的としている.9種の検出器を使用して水中の軸外線量比を計測し,半影幅は複数の検出器で計測された各線量比から直線近似を使用し求めた.照射野は1×1 cm2から10×10 cm2の範囲で検討した.また,3種の有感領域幅の1.2 mm以上異なる組み合わせで半影幅を比較した.9種の検出器から得た半影幅値は,6,10 MV X線でそれぞれ2.51–4.07,2.93–4.70 mmだった.半影幅は,照射野サイズが大きくなるにつれ増加した.3種の検出器での結果は,9種で得た結果と比較し±0.5 mmの差であった.結果の信頼性について,過去の研究およびモンテカルロシミュレーションによる結果との比較で評価した.本手法による半影幅の算出は,検出器サイズに依存せず求めることができ,異なる施設の治療装置と比較することを容易にする.

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© 2023 公益社団法人日本放射線技術学会
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