日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
Print ISSN : 0369-4305
ISSN-L : 0369-4305

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

ファーマ形電離箱線量計と円柱形ファントムを用いたkV-cone beam CT線量評価法におけるファントム長補正方法の検討
坂本 昌隆 佐々木 浩二津野 隼人
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2023-1349

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

本研究では,外部放射線治療装置に搭載されたkV-CBCTの線量評価のために多くの放射線治療施設が保有するファーマ形電離箱線量計と円柱形PMMAを連ねたファントムを用いたときに必要なファントム長を検討し,更に,ファントム長が不足し体軸方向の散乱線寄与が充分でない場合にこれを補うためのファントム長補正係数を提案した.ファーマ形電離箱により測定した円柱形PMMAファントムの中心における空気吸収線量は,ファントム長が300 mm以上になると散乱線の寄与が飽和した.また,ファントム長補正係数は,長さ300 mmと150 mmのファントムを用いて測定した電荷量比とX線ビーム幅との関係を示す近似曲線から算出した.これにより補正を行った150 mm長ファントムで測定した空気吸収線量は,300 mm長ファントムを用いて測定した空気吸収線量と最大で1.61%の線量差で一致した.本方法は,150 mm長の円柱形PMMAファントムによる計測のみで,広いX線ビーム幅におけるファントム中心線量の推定を可能とした.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人日本放射線技術学会
feedback
Top