論文ID: 2023-1354
本稿の目的は,受講者参加型セミナーにおける対面方式とWeb方式の受講者事後アンケートから,Web会議システムを用いた受講者参加型セミナーの有効性を評価することである.Web方式のセミナーにおいて,受講者に臨場感のある実習を体験してもらうため,実技を説明した4編の動画を作成した.われわれは対面方式のセミナーとWeb方式のセミナーの受講者が答える事後アンケート結果を比較した.この事後アンケートによる,受講者の所属施設の地域,経験年数,セミナーの評価を調査した.セミナーの期待度,理解度,満足度,講義時間に関する質問は5段階評価とした.講義時間を除き,値が高いほど評価が高い.講義時間は値が高いほど長く感じ,値が低いほど短く感じ,3が適切である.セミナーの期待度,理解度,満足度など座学に対する評価は対面方式とWeb方式に有意差はなかった.対面方式とWeb方式に有意差はなく,どちらも4点以上の高得点を獲得した.座学の講義時間に関する評価では,対面方式ではやや短いと感じ,Web方式では適切と感じるなど,有意差があった.実習やディスカッションに関する評価は対面方式,Web方式に有意差はなく,4点以上の高得点を獲得し,講義時間はやや短い結果となった.このことから,私たちが提案するWeb方式のセミナーに対する評価は,対面方式と比較しても有意な差がなく,高い評価を取得できた.