日本放射線技術学会雑誌
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股関節X線撮影における銅フィルタ付加の有用性と線量低減の可能性
川畑 朋桂 上山 祥子小野寺 崇
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論文ID: 2024-1445

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抄録

【目的】股関節X線撮影時に銅(Cu)フィルタを付加した場合の画質評価および線量低減の可否について検討した.【方法】管電圧70 kVにおいてCuフィルタ付加なし(0 mm),あり(0.1/0.2 mm)における実効エネルギーの算出および,入射表面線量一定時におけるコントラスト,信号差対雑音比(signal-difference-to-noise-ratio: SDNR)を算出し,線量低減率を推定した.【結果】実効エネルギーはCu 0,0.1,0.2 mmの順で32.07,37.59,40.91 keVとなった.Cuフィルタ付加を厚くするごとにコントラストは低下したが,SDNRは増加した.骨組織を対象とするSDNRより算出した線量低減率は,最大で0.1 mm Cuにて34%,0.2 mm Cuにて47%となった.【結語】股関節X線撮影時にCuフィルタを付加することで,SDNRを基準とする画質を一定に保ったまま入射表面線量低減の可能性が示唆された.

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