日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
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新生児ポータブル胸部X線撮影における人体等価ファントムと新生児ファントムによる撮影条件の検討
加藤 大貴 市川 肇澤根 康裕小野 孝明加藤 豊大伊藤 恵望島田 秀樹
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論文ID: 2024-1489

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抄録

【目的】新生児のポータブルX線胸部撮影において画像処理による線量低減の試みは行われているが,画像のraw dataレベルにおける評価はされていない.本研究では,raw dataレベルの画質と入射表面線量において,模擬ファントムと新生児ファントムを用いて現在の撮影条件からの線量低減の検討を行った.【方法】60 kV, 2.0 mA second(mAs)で撮影した新生児の胸部写真から各部位の画素値を算出し,同等となる画素値となるようにアクリル,アルミニウム,銅の厚さと組み合わせを調整して模擬ファントムを作成した.模擬ファントムから得られる各部位のsignal-difference-to-noise ratio(SdNR)と入射表面線量を比較して60 kV, 2.0 mAsと同等以上の撮影条件を求め,新生児ファントムを撮影し,処理を行った画像のcontrast-to-noise ratioを60 kV, 2.0 mAsと比較した.【結果】SdNRと入射表面線量の結果は62 kV, 1.8 mAsが優れる結果となった.新生児ファントムによる比較も有意差なしとなった.【結語】模擬ファントムを用いて臨床を再現したうえで優れた撮影条件を求めることができた.

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