論文ID: 2024-1520
【目的】本研究の目的は,periodically rotated overlapping parallel lines with enhanced reconstruction(PROPELLER)法の効果的な臨床利用を可能にするために,各ベンダーの最新のPROPELLER法の頭の動きに対するロバスト性を評価し,特徴を知ることである.【方法】ヒト脳のT2強調画像を模擬したファントムを,キヤノンメディカルシステムズ(栃木;以下,Canon),GE HealthCare(Chicago,IL,USA;以下,GE),Philips(Amsterdam,Netherlands),Siemens Healthineers(Forchheim,Germany;以下,SIEMENS)の装置で撮像し,頭部の動作パターンを回転角度依存性,不活時間での回転数依存性,データ収集時間での回転数依存性に分け,structural similarity(SSIM)を用いて評価した.【結果】回転角度依存性と不活時間での回転数依存性では,Canonは小さな回転角度と細かい動きにロバストであった.GEは回転角度に関係なく動きにロバストで,deep learning reconstruction(DLR)で補正機能が向上した.Philipsはcompressed sensitivity encoding(CS)との併用が可能でブレード幅によってロバストな動きが異なった.SIEMENSは大きな動きにロバストであった.データ収集時間での回転数依存性は4ベンダーで同様の結果となった.【結語】4ベンダーのPROPELLER法の回転角度依存性と回転数依存性を定量的に評価した.PROPELLER法の特徴を理解し,頭部MRI検査で動く患者に遭遇した場合でもPROPELLER法を特徴に応じて用いることで,診断に耐えうる画像を提供できる機会が増えることが期待できる.