日本臨床外科学会雑誌
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症例
化学療法施行中に穿孔した胃小細胞癌 (内分泌細胞癌) の1例
湯澤 浩之高尾 貴史草野 敏臣
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2007 年 68 巻 10 号 p. 2495-2499

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抄録

症例は70歳の男性. 胃癌, 多発リンパ節転移の診断で入院. 2005年2月22日からTS-1+CDDP+レンチナンの投与開始. 3月2日に突然腹痛が出現し, CTでfree airと腹水を認め穿孔性腹膜炎と診断, 緊急開腹術を施行. 胃前庭部の5cm大の腫瘍に2cm程の穿孔を認めた. 幽門側胃切除術, B-II法再建術, 腹腔内洗浄ドレナージ術を施行. 術後病理診断はCD56 (NCAM) 陽性の小細胞癌 (内分泌細胞癌) であった. 術直前のCTで縮小傾向であったリンパ節腫大が増悪したため, 術後28日目から化学療法を再開. 2クール終了後にリンパ節腫大は著明に縮小 (PR) したが, 4クール終了後に再増大していたため, 2nd lineの化学療法としてCPT-11+CDDP投与を開始. 2クール終了後にリンパ節腫大は再び著明に縮小 (PR) したが, その2カ月後には再々増大. 他院で免疫療法を施行したが, 術後331日目に癌死された.

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© 2007 日本臨床外科学会
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