日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性虫垂炎症状が先行し診断に苦渋した虫垂浸潤を示したS状結腸癌の1例
竹中 弘二中尾 健太郎角田 明良鈴木 直人大原 一規草野 満夫
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2007 年 68 巻 2 号 p. 402-405

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抄録
症例は46歳の女性で, 2003年12月末より臍部痛が出現し, 軽快しないため翌日当科外来を受診した. 臍部から右下腹部に移行する自発痛・圧痛がみられたが反跳痛および筋性防御は認めず, 急性虫垂炎を疑った. 保存的加療にて炎症所見は軽快したが, 腹部膨満と便秘は継続していた. CTから腫瘍性病変の可能性も示唆され, 腫瘍マーカーCEAおよびCA19-9の高値を認めた. 注腸造影X線検査, 下部消化管内視鏡検査にてS状結腸に亜全周性の2型結腸癌を認めた. 1月中旬にS状結腸切除術, D3郭清を施行. 腫瘍は虫垂, 右卵管を巻き込んでいたためこれらを合併切除した. 病理組織学的検査所見では, 癌は虫垂の漿膜下層に直接浸潤していた. 本症例は, S状結腸癌が虫垂を巻き込んでいたため急性虫垂炎症状がみられたと考えられた. 本症例の診断および発症過程について, 若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2007 日本臨床外科学会
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