抄録
症例は42歳, 女性. 18歳時にCrohn病と診断された. 大腸亜全摘, 幽門側胃切除術を施行され, 難治性痔瘻に対して在宅中心静脈栄養にて管理中であった. 平成15年12月に排便困難と腹部膨満を主訴に緊急入院し, 痔瘻ドレナージ目的のシートン手術時に生検組織から腺癌を指摘され, 肛門管癌の診断で, 後方骨盤内臓全摘術および遊離広背筋皮弁再建を行った. 病変は最大径約35mmの辺縁不整な5型腫瘍で, 病理組織学的には膣後壁へ浸潤を示す高分化腺癌で, 痔瘻との連続性はなく, 肛門管癌と診断した. 遊離筋皮弁を用いた再建方法を用いて根治切除を施行した症例を経験した.