2007 年 68 巻 3 号 p. 682-686
症例は22歳, 男性. 急性胃腸炎にて内科入院した際, 腹部超音波検査にて右副腎の腫瘤を指摘され, 精査を受けた. 血液検査にてノルアドレナリンの上昇を認め, 静脈血サンプリングでは右副腎静脈にてアドレナリン, ノルアドレナリンの著明な上昇を認めた. 腹部超音波検査では右副腎に表面平滑, 辺縁整で境界は明瞭, 内部均一な5.5×2.7cmの低エコーの腫瘤を, CTにて内部均一な5×5×3cmのlow densityの腫瘤を認めた. 以上より右副腎腫瘍と診断し, 腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した. 摘出標本割面では, 白色充実性の腫瘍で, 組織学的には神経節細胞腫と診断された. 術後経過は良好で術後7日目退院となった.