日本臨床外科学会雑誌
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症例
横行結腸間膜に発生したCastleman病の1例
花村 徹高田 学山口 敏之小松 信男橋本 晋一小山 正道丸山 雄一郎
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2007 年 68 巻 3 号 p. 697-701

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抄録

Castleman病は頸部, 縦隔, 腸間膜, 後腹膜等の軟部組織に発生する稀な疾患である. 今回われわれは腸間膜に発生したCastleman病で, 胆石症と同時に手術が施行された1例を経験したので報告する.
症例は34歳の女性. 主訴は心窩部痛であった. 腹部造影CT検査を施行したところ, 腸間膜内に大きさ45mmの腫瘤と胆嚢壁の肥厚, 胆石が認められた. 腸間膜腫瘤の確定診断および胆石症の治療のため, 開腹にて腸間膜腫瘤摘出術および胆嚢摘出術が施行された. 摘出標本の病理組織診断にて腸間膜腫瘤はHyaline vascular typeのCastleman病と診断された.
Hyaline vascular typeのCastleman病は孤在性の腫瘤を形成し, 切除すれば再発することは稀であるとされている. 腸間膜原発の腫瘍の鑑別診断の一つとして考慮すべきと考えられた.

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© 2007 日本臨床外科学会
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