日本臨床外科学会雑誌
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症例
結腸浸潤を認めた後腹膜脂肪肉腫の1例
塩盛 建二林田 和之落合 隆志
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2007 年 68 巻 3 号 p. 730-734

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抄録

症例は53歳, 男性. 1998年6月12日に後腹膜脂肪肉腫の診断にて他院で開腹腫瘍摘除術を施行された. その後局所再発を指摘され, 2001年10月15日, 2004年10月12日に開腹腫瘍摘除術を受けた. 2006年7月5日に施行した腹部造影CT検査で内腔に鏡面形成を有する腫瘤影を認め, 手術目的で今回入院となった. 38.5℃の発熱あり. 入院時検査でWBCは8,730, CRPは8.5と高値であった. 後腹膜脂肪肉腫の局所再発ならびに腹腔内膿瘍と診断した. 外科手術の適応と判断し, 2006年8月8日に手術を施行した. 腫瘍は下行結腸に穿通していたため, 下行結腸の一部を切除し腫瘍を摘除した. 病理組織学的検査で摘出標本すべての腫瘍がwell differentiated liposarcomaであった. 術後経過は良好で退院となった. 脂肪肉腫が結腸に浸潤し, 穿通した1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2007 日本臨床外科学会
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