抄録
症例は30歳, 女性. 左下腹部腫瘤で近医を受診し, 腹部CTにて卵巣嚢腫を疑われ産婦人科医院で開腹術を受けたが, 卵巣に異常なく当院に紹介入院. 腹部超音波, CT, MRI検査で後腹膜嚢胞の診断にて手術を行った. 腫瘤は左腎尾側から下行結腸背側の後腹膜腔内に存在し, 後腹膜を切開し腫瘤を切除した. 腫瘤は17×12×10cm大, 弾性軟で, 切開すると無色透明の漿液性内容液を660cc認め, ほぼ均一な単房性嚢胞であった. 病理組織学的所見は1層の線毛上皮に覆われた嚢胞で, 卵管間質様の細胞および卵管様の分泌細胞が混在し, 一部に不完全な平滑筋束を認めた. 免疫組織学的所見も含め後腹膜Müller管嚢胞と診断した.