日本外科系連合学会誌
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症例報告
大腸癌肝転移切除後の縦隔リンパ節再発に対して切除により長期生存を得られた1例
青木 茂雄酒向 晃弘荒川 敬一丸山 岳人三島 英行
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2023 年 48 巻 2 号 p. 137-143

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抄録

症例は59歳女性.便柱狭小を主訴に受診した.下部消化管内視鏡検査にて下行結腸癌を認め,腹部CTで肝S1,S2,S4に計4個の肝転移を認めた.下行結腸癌の多発肝転移と診断し,根治切除を施行した.(SS,N1,P0,H1,fStage Ⅳ)補助療法として,XELOXを行っていたが,7コース終了した時点で肝障害があり以降中止した.術後1年4カ月の胸部CTで下縦隔リンパ節腫大を認め,PET/CTで集積増加を認めた.他に再発を疑う所見がないため,摘出術を施行した.病理結果は大腸癌のリンパ節転移であった.大動脈周囲リンパ節に転移を疑う所見を認めず,肝転移巣からの孤立性転移と考えられた.本人の希望で補助療法は施行せず,再発手術から8年間無再発生存中である.大腸癌肝転移が孤立性に縦隔リンパ節へ転移することは稀であり,明確な治療方針は示されていない.本症例の経験より,外科的切除が予後延長に寄与する可能性がある.

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© 2023 日本外科系連合学会
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