抄録
自然消退を確認できた肝炎症性偽腫瘍の2例を報告する. 症例1は77歳の男性. 発熱, 嘔吐を主訴として入院. 腹部超音波検査では, 充実性で内部に多房性嚢胞性変化を伴う8.5cm大の腫瘤影を認めた. 約2週間後のMRI, CTで同腫瘍は5cm大に縮小し, 腫瘤内部に肝動脈の貫通像が認められた. 2カ月後のCTでは2.5cm大の瘢痕様変化に縮小し, 5カ月後のCTではほぼ腫瘤影は消退した. 症例2は75歳の男性. 膀胱癌術後で当院泌尿器科にてfollow up CTを撮影した. 肝後区域に4.5cm大のLDAを認めCT撮影から20日後に当科紹介受診. その後の腹部超音波検査およびでMRIでは腫瘤は描出されなかった. 2カ月後と4カ月後に撮影されたCTでも腫瘍性病変は消失していた. 肝炎症性偽腫瘍は画像所見が多彩で診断が困難であるが, 経過中に縮小をみることも多く, 間隔をおいた画像評価が診断の一助になると考えられた.