抄録
Belghitiのliver hanging maneuverを用いて下大静脈に浸潤する肝内胆管癌に右肝切除を施行した1例を報告する. 患者は肺癌手術の既往がある76歳, 女性で, 胸部CTでフォロー中に肝右外側領域に4cm大の肝内胆管癌を認めた. 腫瘍は下大静脈右側壁に浸潤していた. 肝部下大静脈前面の剥離が可能で, 胃ゾンデを挿入し肝を吊り上げた. Hanging maneuverを用いカントリー線の肝実質切離を先行した. 最後に下大静脈浸潤部を合併切除し同部を縫合閉鎖した. Liver hanging maneuverは周囲臓器へ浸潤する肝腫瘍において, 前方から容易に肝実質切離を行える有用な手術手技と思われた.