2007 年 68 巻 7 号 p. 1675-1679
症例は44歳, 男性. 前医で胸部X線写真およびCT上異常陰影を指摘され, 増大傾向を認めたため当院に紹介となった. 胸部X線写真およびCT上右下肺野横隔膜に接するように約3cm大の楕円形の腫瘤陰影を認めた. 術前診断は縦隔腫瘍あるいはSFTの診断のもと手術を施行した. 腫瘍は右中葉臓側胸膜原発で茎は広基型であり, 胸腔鏡下 (VATS) 右中葉部分切除術を行った. 摘出標本では腫瘍径φ33×23mm, 白色充実性弾性硬腫瘤で被膜を認めた. 術後病理では良性性格の孤立性線維性腫瘍 (SFT) と診断された. 現在, 術後1年になるが再発を認めず外来経過観察中である.