日本臨床外科学会雑誌
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症例
原発不明腋窩リンパ節転移に対しマンモトーム生検で乳癌と診断したinvasive micropapillary carcinomaの1例
島影 尚弘吉澤 麻由子田島 健三
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2008 年 69 巻 2 号 p. 313-318

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抄録

左腋窩リンパ節転移に対しマンモトーム生検で乳癌と診断したinvasive micropapillary carcinoma(以下IMP)の1例を経験したので報告する.症例は62歳,女性.平成17年6月肺癌の検診異常で当院内科を受診した.胸部単純CTで左腋窩リンパ節の腫大を指摘され乳癌の精査目的にて7月外科紹介となった.マンモグラフィ(以下MMG)で左[AC]にカテゴリー3(以下C-3)の微小円形集簇の石灰化を認めるも乳房超音波検査(以下US)にて腫瘍は確認できず経過観察となった.平成18年2月のMMGで石灰化は不変であった.また同日施行したヘリカルCT(以下CT)では左乳房[AC]に点状造影の散在と左腋窩リンパ節増大を認めたが腫瘍は指摘できなかった.しかしリンパ節が増大し転移と考えられ,平成18年5月原発巣の検索目的にMMGの左[AC]の石灰化に対しマンモトーム生検を行い乳頭腺管癌と診断され,胸筋温存乳房切除術後の切除標本でIMPと診断された.

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