日本臨床外科学会雑誌
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症例
初回治療21年後に再発し,胃粘膜下腫瘍と鑑別困難であった卵巣顆粒膜細胞腫の1例
岡島 明子河野 弘木村 充志津金 恭司竹之内 靖小川 敦司
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2008 年 69 巻 2 号 p. 452-456

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抄録
症例は70歳,女性で腹痛を主訴に来院した.21年前に卵巣腫瘍で他院にて子宮・両側附属器摘出術施行された既往がある.2007年1月,胃粘膜下腫瘍と腹腔内多発腫瘍の診断で腫瘍切除術施行された.病理組織像より卵巣腫瘍との類似が疑われたため他院での病理組織標本を取り寄せて比較するとともに免疫組織染色も施行したところ,いずれも卵巣顆粒膜細胞腫の転移と診断された.術後7カ月経過した現在,再発徴候を認めていない.卵巣顆粒膜細胞腫は再発をきたすことも稀ではないとされているが経過が長期にわたるために,その経緯については十分解明されていない.本症例は前回手術の組織像と比較して診断することができた貴重な1例と考え報告する.卵巣腫瘍の手術既往のある患者は少なくないが,粘膜下腫瘍像をとる胃病変や腹腔内腫瘍の鑑別診断としてその転移を考慮することは重要と思われた.
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© 2008 日本臨床外科学会
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