日本臨床外科学会雑誌
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原著
妊娠中に発症した鼠径ヘルニア手術症例の検討
田島 陽介武者 信行矢島 和人木戸 知紀坪野 俊広酒井 靖夫長谷川 功
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キーワード: 鼠径ヘルニア, 妊娠, 手術
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2008 年 69 巻 3 号 p. 509-513

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抄録

はじめに:鼠径へルニアの治療の原則は手術であるが,妊娠中に発症した鼠径ヘルニアの治療方針は確立していない.対象および方法:1996年から2006年の間に当科で行われた1,032例の鼠径ヘルニア手術症例のうち,妊娠中に発症した鼠径ヘルニア手術症例14例(1.4%)を対象とし,臨床的特徴,手術法,および治療成績について後ろ向きに検討した.結果:全14例が有症状で10例に鼠径部の膨隆,4例に疼痛を認めた.鼠径ヘルニア発症の時期は中央値が妊娠19.5週であった.12例が妊娠中,1例が帝王切開時,1例が出産後8日目に鼠径ヘルニア根治術を施行された.手術法は8例がMarcy法,6例がLichtenstein法であった.全例で妊娠・出産に関する合併症,鼠径へルニアの再発を認めていない.結論:妊娠中でも鼠径ヘルニア修復術は安全かつ十分に手術を行うことが可能であり,有症状例に対しては手術を考慮すべきである.

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© 2008 日本臨床外科学会
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