日本臨床外科学会雑誌
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症例
極めて稀な発育形態を呈し後腹膜腫瘍との術前鑑別が困難であった胃GISTの1例
植田 宏治須藤 一郎
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2008 年 69 巻 3 号 p. 538-542

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抄録
症例は60歳,男性.人間ドックの上部消化管内視鏡で胃壁外性圧迫が疑われ,腹部CT検査で膵体尾部背側を主座とし,胃後壁に至る径約7cmの充実性腫瘍を認めた.膵臓・副腎とは境界明瞭で,血管造影検査では明らかな栄養血管は指摘できなかった.胃壁外発育したgastrointestinal stromal tumor(GIST)も考慮したが,腫瘍は膵臓背側の後腹膜腔を主座としており,後腹膜腫瘍と診断し,手術を施行した.腫瘍は膵臓を腹側へ排して存在し,索状の茎で胃体部後壁の漿膜と連続していた.胃を楔状切除して腫瘍を摘出した.病理組織検査では,紡錘状腫瘍細胞が錯走して増生し,免疫組織染色でc-kitとCD34が陽性,SMAとS-100蛋白が陰性でGISTと診断された.壁外有茎性発育した胃GISTでこのような進展を示した報告は検索しうる限り本症例が初めてである.極めて稀な発育形態を呈し後腹膜腫瘍との術前鑑別が困難であった胃GISTの1例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する.
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© 2008 日本臨床外科学会
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