2008 年 69 巻 4 号 p. 800-804
症例は73歳,男性.心窩部痛にて救急受診.腹部CTでfree airと腹水,上部内視鏡検査で胃体中部前壁に潰瘍性病変を認めた.胃穿孔と診断し,緊急手術施行.初回手術時に,穿孔部縫合閉鎖術と大網被覆術を行った.穿孔部より切除した病理組織から,胃悪性リンパ腫との診断が得られたので,初回手術後10日目に胃全摘術を施行した.病理組織は,胃原発悪性リンパ腫,diffuse large B-cell lymphomaであり,リンパ節転移や腹膜播種などは認められなかった.