日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸部刺傷後左内胸動脈に発生した仮性動脈瘤の1例
安部 智之中塚 昭男出雲 明彦鮎川 勝彦
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1633-1637

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抄録
72歳,男性.既往歴にアルコール依存症があり,同疾患にて近医で入院加療中であった.自宅外泊中に,彫刻刃で自らの左前胸部を20数箇所刺し,近医受診した.胸部CTにて前縦隔血腫と左血胸があったため,当院救命センター搬送となった.CTにて,造影剤の血管外漏出像は無かったが,左血胸の増大があり,緊急血管造影となった.左内胸動脈や左肋間動脈からの出血は無く,出血源は不明であった.受傷部位に相当する第2~4肋間動脈をスポンゼルにて塞栓した.左血胸に対しては,胸腔ドレナージ術を施行した.受傷後7日目の単純CTにて,前縦隔血腫と左血胸の増大ないことを確認し,10日目に転院となった.18日目に呼吸苦を訴え,当院を再受診し,胸部造影CTで左内胸動脈に約5cmの仮性動脈瘤と左胸水の増加を認めた.緊急血管造影を行い,仮性動脈瘤の近位と遠位側にコイル塞栓術を施行した.コイル塞栓術後11日目のCTにて異常無く,前医へ転院となった.
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© 2008 日本臨床外科学会
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