日本臨床外科学会雑誌
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症例
自然消失した進行大腸癌の1例
東風 貢山家 広子海賀 照夫大久保 力藤井 雅志高山 忠利
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1717-1720

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抄録
症例は80歳,男性.下腹部痛とタール便を主訴に2004年1月初診.大腸内視鏡検査にて横行結腸にType2腫瘍を認め,病理組織学的にGroupV,横行結腸癌と診断された.腹部CTにて肝転移,リンパ節転移は認めないが右腎盂に水腎症を伴う腫瘍を認め,泌尿器科的精査にて右腎盂癌と診断され同時性重複癌の診断に至った.開腹による大腸癌,腎盂癌同時切除の治療方針で術前検査を開始したが,以後5カ月間通院せず,その間投薬および抗癌剤治療は受けていなかった.2004年8月再来院,大腸内視鏡検査の再検で横行結腸の病変はIIc様に変化し,病理組織検査でも癌細胞は認めなかった.2004年10月右腎臓摘出手術のみ施行,大腸病変については4カ月毎の内視鏡による経過観察とした.大腸癌診断以後36カ月経過した現在再発は認められない.今回の症例より大腸癌においても自然消失する癌の存在が示唆された.
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© 2008 日本臨床外科学会
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