日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵内分泌腫瘍を疑ったCastleman's diseaseの1例
本多 通孝倉田 昌直本田 五郎鶴田 耕二岡本 篤武比島 恒和
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1782-1785

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抄録
40歳代の女性.検診の超音波検査で膵腫瘍を指摘された.腹部CTで膵体部上縁に強い造影効果を受ける2cm大の類円形腫瘤を認め,非機能性膵内分泌腫瘍を疑い開腹手術を行った.腫瘤は膵上縁に接していたが,膵組織から発生した腫瘍ではなく,容易に剥離・摘出可能であった.術中迅速病理診断を行いhyaline vascular-typeのCastleman's diseaseと診断されたため,腫瘤の摘出のみで手術を終了した.Castleman's diseaseは縦隔頸部に好発するリンパ節過形成性病変であり,腹腔内発生は稀である.またhyaline vascular-typeは血流豊富な腫瘤であり画像上強い造影効果を呈するため,自験例のように膵に接して存在した場合,同様に血流豊富な膵内分泌腫瘍との鑑別が問題となる.本疾患は腫瘤摘出により良好な予後が期待されるため,周囲臓器の切除やリンパ節郭清は不要である.発生部位,画像診断上の特徴から本疾患の可能性を念頭に置き,術中迅速診断を利用して術式を選択することは拡大手術を回避する上で重要である.
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© 2008 日本臨床外科学会
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