日本臨床外科学会雑誌
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症例
上行結腸憩室炎に合併した上腸間膜静脈血栓症の1例
岡崎 雅也丸森 健司福沢 淳也今村 史人神賀 正博間瀬 憲多朗
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キーワード: 上腸間膜静脈血栓症
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1791-1795

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抄録
症例は70歳,男性.発熱と右側腹部痛を主訴に来院した.血液検査で,炎症反応の上昇を認め,腹部造影CTで上行結腸憩室炎と上腸間膜静脈から肝内門脈に連続する血栓を認め,入院となった.画像所見上,その他異常所見なく,血液凝固疾患も否定的であり,上行結腸憩室炎に続発した上腸間膜静脈血栓症と診断した.腹部症状軽度であったため,保存的治療を行い,炎症の改善を認めた.血栓症に対し,即抗凝固療法を考慮したが,出血性胃潰瘍を認めたため,経過観察とした.第10病日の腹部造影CTでは,憩室炎の改善と血栓の縮小を認めた.同日胃潰瘍の改善を確認し,低分子ヘパリン投与を行った.第30病日にはワーファリン内服に切り替え第46病日に退院した.3カ月後,憩室炎を再燃し入院となった.同日の腹部造影CTでは,血栓自体は消失した.今回上行結腸憩室炎に合併した上腸間膜静脈血栓症の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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© 2008 日本臨床外科学会
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