日本臨床外科学会雑誌
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症例
交通事故による遅発性外傷性腹壁ヘルニアの1例
田仲 徹行青松 幸雄小林 経宏井上 隆桑田 博文中島 祥介
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キーワード: 外傷性腹壁ヘルニア, PHS
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1814-1818

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抄録
症例は68歳,男性.主訴は左側腹部膨隆.平成18年6月交通事故で多発肋骨骨折,左血胸,脾損傷,左脛骨腓骨骨折を受傷.当院整形外科にて,脛骨骨折に対し手術施行.受傷から約3カ月後,リハビリ入院中左側腹部に膨隆を訴えCTを施行したところ左腸骨頭側の腹筋断裂部から腸管の脱出を認め,外傷性腹壁ヘルニアと診断した.同ヘルニアの報告は稀で自験例を加え11例にすぎない.受傷原因は8例が交通事故でそのうち5例が肋骨または骨盤骨折を伴っていた.骨折を伴う5例はいずれも遅発性に発症し,骨折の存在とヘルニアの遅発性発症には相関関係を認めた.同ヘルニアに対しPHS(PROLENE Hernia System)による修復術を施行した例は自験例が初めてであり,同方法はunderlay patchで広範囲に腹膜を覆い,connector部でヘルニア門を閉鎖し,onlay patchを固定することにより全体の固定が可能となり腹壁脆弱部の補強,修復に有効な方法と考えられた.
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© 2008 日本臨床外科学会
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