日本臨床外科学会雑誌
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症例
Churg-Strauss症候群に合併した下膵十二指腸動脈瘤破裂の1例
寺岡 義布史繁田 直史大森 一郎丹治 英裕児玉 真也住元 一夫
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2008 年 69 巻 8 号 p. 1941-1944

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抄録

Churg-Strauss症候群は気管支喘息と好酸球増多,および結節性動脈周囲炎様の症状を3主徴とする比較的稀な疾患である.今回われわれはChurg-Strauss症候群に合併した下膵十二指腸動脈瘤破裂の1例を経験したので報告する.症例は49歳,女性.Churg-Strauss症候群にて近医でステロイドの内服加療中であった.夜間に腹痛出現したため当科受診.腹部全体に圧痛を認め,造影CTにて後腹膜血腫,腹腔内出血を認めた.緊急血管造影検査にて下膵十二指腸動脈瘤破裂と診断し,塞栓術を施行した.その後,保存的治療を行い,全身状態も改善したため経口摂取を開始したところ,嘔吐出現.十二指腸閉塞と診断し保存的治療を行うも改善せず,第21病日に手術を施行した.術中所見では血腫除去による通過障害の改善は困難と判断し,胃空腸吻合術を施行した.術後15日目に退院となった.腹腔内出血を合併したChurg-Strauss症候群はごく稀であり報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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