日本臨床外科学会雑誌
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症例
計5回の再発巣切除を行い14年生存中の小腸原発GISTの1例
大城 充二本柳 康博田中 宏森山 彩子瓜田 祐加藤 良二
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キーワード: GIST, 再発, 切除
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2008 年 69 巻 8 号 p. 1997-2001

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抄録

症例は65歳,女性.1994年12月,小腸原発腫瘍の初回手術が施行され平滑筋肉腫と診断された.1997年8月,肝腫瘤に対し外側区域切除が施行され,平滑筋肉腫の転移と診断された.2000年11月,大網に多発転移をきたし大網切除術が施行され,CD34陽性でGISTと診断された.翌年6月右総腸骨動脈周囲リンパ節転移に対し腹腔鏡下リンパ節郭清術が施行された.2002年6月肝S7に腫瘤出現し,2度radio frequency thermal therapy(RFA)が施行された.2004年8月,肝S8の腫瘤に対し肝部分切除術が施行された.2007年2月右卵巣腫瘍の診断で手術が施行され,GISTの骨盤内再発と診断された.2008年3月現在,外来でimatinib投与により経過観察中である.初回手術から初回再発までの期間が長い症例に対しては積極的に手術を施行するとする報告が多くみられるが,その後の再々発例に対しても可能な限り根治性を求めた治療を行う意義があると考えている.

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© 2008 日本臨床外科学会
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