抄録
症例は59歳,女性.平成19年5月3日腹痛,嘔吐を主訴に当院救急外来を受診し,腸閉塞の診断で入院となった.胃管を留置して症状が軽快したため胃管を抜去した.5月9日夕より再び腸閉塞を発症し,イレウス管を挿入したところ数日で先端は上行結腸まで到達した.クランプにて経過観察を行ったが,再度腸閉塞となったため,癒着性あるいは小腸腫瘍による腸閉塞と診断し,5月17日に手術を施行した.回腸末端より約100cm口側で20cmにわたり回腸が腫瘍を先進部に重積しており,腫瘍を含めた小腸部分切除術を施行した.組織学的には類円形~短紡錘形の間葉系細胞の増生を認め,免疫染色でGISTと診断した.術後11カ月の現在,再発の所見なく経過観察中である.原因不明の腸閉塞に対してはGISTなどの小腸腫瘍も念頭において対処する必要があると考えられた.