抄録
1990年1月から2006年12月までに当科で施行した穿孔性腹膜炎手術症例107例を対象とした.75歳以上の高齢者群32例と75歳未満の非高齢者群75例に分けて,術前併存疾患,術後合併症,術後管理および転帰について検討した.
男女比,穿孔部位は両群間で,有意差を認めなかった.
術前併存疾患全体の頻度では両群間に有意差は認めなかったが,その内訳では高齢者群で高血圧,心疾患が有意に多く認められた.
術後合併症全体の発生頻度は有意差を認めなかったが,呼吸器合併症が高齢者群で有意に多く認められた.高齢者群において人工呼吸器管理例が有意に多かったが,術後の平均在院日数,在院死亡率では有意差を認めなかった.
高齢者であっても適切な全身管理(特に呼吸管理)を行えば,非高齢者と転帰は同等であると考えられた.