抄録
症例は72歳,女性.主訴は腹痛.子宮体癌にて放射線治療の既往あり.放射線治療後はイレウスを繰り返していたが,今回腹痛にて受診し,腹部CT検査で回腸末端に楕円形の異物を認め,同部位より口側の腸管拡張を認め,イレウス管による減圧の後手術を施行した.回腸末端部の回腸が壁肥厚と白色変化をきたしており放射線性腸炎の像と考えられた.回腸末端から5cmに球状の異物が嵌頓しており,回盲部切除を施行した.異物は2.5cm×1.5cm大の梅の種子であった.本症例は放射線晩期障害による狭窄部分に梅の種子が嵌頓したものであった.放射線腸炎による腸管狭窄を伴う場合は,梅の種子のように比較的小型の異物でもイレウスの原因となりうるため食事習慣などへの注意喚起が必要と考えられた.