抄録
胃癌に対する腹腔鏡下手術は有望な低侵襲手術として増加の一途をたどっているが,腹腔鏡下リンパ節郭清は,経験が少ない施設においては安全性・根治性に問題がある可能性がある.この解決には腹腔鏡下手術の利点・欠点を明確にすることが重要である.腹腔鏡下手術を施行している施設を対象とし,腹腔鏡下リンパ節郭清の利点・欠点をアンケート調査した.返答のあった28施設のうち20施設で腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術が施行されていた.この手術経験総数が豊富な施設と少ない施設は,それぞれ10施設ずつ認めた.経験数の多寡に関わらず,鏡視下の利点は拡大視および開腹では得られない視野であった.経験の少ない施設では,術者の技術不足,助手の視野展開の悪さ,スコーピストの技術不足によって良好な視野が得られず,視野範囲制限が出現するという欠点が認められた.この欠点克服には,個人の技術向上以上にチームとしての技術向上が重要であると考えられる.