抄録
症例は65歳,女性.3日前よりの腹痛を主訴に来院.腹部超音波検査,CT検査にて胆嚢腫大,壁の肥厚を認め急性胆嚢炎と診断し同日,経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行した.PTGBD後,炎症反応ならびに腹痛は速やかに改善したため,入院後8日目に待機的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢周囲の癒着を剥離したところ胆嚢は胆嚢管を中心に時計方向に約180度捻転しており,捻転解除後胆嚢を摘出した.胆嚢の肝床付着部はわずかであり,いわゆるGrossII型の遊走胆嚢に発生した胆嚢捻転症と考えられた.
胆嚢捻転症は急性腹症の中でも比較的稀な疾患である.捻転による血流障害のために胆嚢壊死・穿孔など急激な臨床経過を辿るとされ緊急胆嚢摘出術が推奨されている.本症例はPTGBD挿入後穏やかな臨床経過を呈し,待機的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しえた点で示唆に富む症例と考えられた.