抄録
症例は45歳,男性.平成14年2月,近医にて胆嚢結石症,慢性胆嚢炎に対して胆嚢摘出術を行った.術中総胆管損傷を認めたので一期的に縫合閉鎖を行っていた.以後,著変無く経過していたが,平成19年8月全身倦怠感,黄疸を認め,当院内科を受診した.造影CTにて肝内胆管の拡張と中部胆管の狭窄および総胆管内に占拠する約10mm大の造影効果を示す腫瘤を認めた.中部胆管癌を疑い,胆管切除術,胆管空腸吻合術を行ったところ,切除胆管から約10mm大の壁外性の腫瘍性病変を認め,病理組織検査にて胆管断端神経腫と診断された.術後合併症認めず,術後13日目に退院となり,現在のところ著変無く経過している.胆管断端神経腫は,胆管狭窄を呈した場合,胆管癌との鑑別は困難である.胆道系手術後に胆管狭窄を認めた場合には本症の可能性も念頭においておくべきと考えられる.