抄録
乳癌症例の臨床病理学的諸因子と腋窩リンパ節転移との関連性を検討し,センチネルリンパ節生検(SNB)の適応を再考した.
対象は原発性乳癌130例(SNB適応90例,非適応40例)で,SNBはIndocyanine green及びIndigocarmineによる蛍光・色素併用法を施行した.
SN転移陽性群ではSN転移陰性群に比べ,原発巣のリンパ管侵襲陽性例が有意に多く,組織学的腫瘍浸潤径が11mm以上の症例が多かった.リンパ管侵襲とリンパ節転移の関連性は,SNB非適応症例群においても確認された.また,T3N01)症例にはリンパ節転移を認めなかった.
針生検あるいはマンモトーム生検により,原発巣のリンパ管侵襲の有無があらかじめ判明している症例では,その結果をふまえてSNBの適応を決定すべきと思われた.また,最大径10mm以下のN11)症例やT31)症例に対して,SNBの適応を拡大しうる可能性が示唆された.